過去の展覧会 Past Exhibitions(令和元年度/2019)
蔵出し 日本古美術展
-近世蒔絵を中心としてー
Japanese Ancient art Exhibition
開催期間
令和元年11月20日(水)~30日(土)
日曜休廊
Nov 20 (Wed.)
to Nov 30 ( Sat.), 2019
the gallery will be closed on Sundays
このたび江戸期の蒔絵を中心に金工、七宝、印籠(根付)、煙草煙管入れ一式をふくむ約二十点と江戸後期から昭和初期までの書画五点を展示販売いたします。
展示作品は昭和初期から終戦前後に信州の某商家の御当主(
故人)が収集したコレクションであり、七十余年を経ての蔵出し、売り立てとなります。世界最古の漆の歴史(縄文前期9000年前)を持つ我が国において、奈良時代に始まる蒔絵は代表的な装飾技法です。
蒔絵とは漆で描いた文様の上に金粉、銀粉などの金属粉を蒔き付けて、光り輝く文様を作るもので、安土桃山期には日本を代表とする工芸美術品として堺を通じ既に海外に多く輸出されています。江戸期には本阿弥光悦、将軍家御用蒔絵師として幸阿弥家、古満家が登場し江戸城、日光東照宮はじめ寺社仏閣、大名家、豪商の漆装飾、工芸作品を手掛けました。幕末から明治期には古満家の伝統技術を受け継ぐ柴田是真、六角紫水、白山松哉が世界各国で開催された博覧会に出品し、絶大な評価を獲得しました。
今回の売り立て作品のなかで特筆すべき作品には徳川将軍家御用蒔絵師古満安章(三代休伯)による梨子地鶏蒔絵御文庫と硯箱
対が有ります。
対になっている御文庫、硯箱の箱表には梨子地に金銀の高蒔絵と朱漆で鶏が描かれ、箱裏には梨子地の上に金粉を盛り上げた高蒔絵で梅花が描かれています。
粉溜蒔絵印籠は阿波蜂須賀家御用蒔絵師飯塚桃葉の手により和紙を何枚も重ねた一閑張の上に蒔絵を幾層も重ねた高蒔絵の印籠に、信長、秀吉、家康に仕えた彫金師後藤家に繋がる仙乗による根付(留め具)の合作です。
大正天皇下賜の純銀製桜花模様御文庫は純銀の重量が3kgあり、器体全面に純銀で桜花模様が大胆に彫金されており、底部に「銀製服部」の刻印と作者秀瑛の刻印が有ります。
晩秋の候、超絶技法と繊細かつ艶やかな蒔絵、金工の世界をご高覧頂きたくここにご案内申し上げます。
ー古往今来ー中国古陶磁展Ⅻ
Chinese Ancient art Exhibition
開催期間
令和元年10月16日(水)~26日(土)
日曜・祝日休廊
Sep 18 (Wed.)
to Sep 28 ( Sat.), 2019
the gallery will be closed on Sundays and National holidays
この度赤坂游ギャラリーでは12回目の中国古陶磁展を開催します。
黄河中流域の仰韶文化に始まる中国陶磁の魅力は多種多様な造形、色彩、文様とそれを支える精緻な技巧と釉薬にあります。特に釉薬は自然釉の時代が千五百年ほど続き、人工的に作られた釉薬を施した原始青磁(灰釉陶)が誕生するのは黄河下流域に誕生した龍山文化と言われる商(殷)時代の三千五百年頃前です。やがて周時代の春秋戦国期の青銅器を祖形とする前漢の加彩、後漢の緑釉を経て三国時代(二~三世紀)には華南越州窯で青磁、黒釉陶磁が産みだされ、南北朝期(六世紀後半)の華北では釉薬から鉄分を除き、鉄分の少ない粘土を選ぶことで白磁が産みだされます。
西域の影響を受けた唐代の三彩は皇帝の墳墓を飾る明記(めいき)として花開き、宋・金時代の青磁・白磁、天目等の黒釉陶磁は日本の数寄者、茶道家にも唐物として珍重されました。やがて元時代の釉裏紅、明、清朝時代の青化・五彩で中国陶磁はその頂点をむかえることになります。
今回は青磁の中でも特段評価の高い十二世紀の南宋官窯系の青磁筆洗、三彩(褐釉、緑釉、白地に透明釉)とペルシャ銀器に祖形がみられるパルメット文様の貼花が施された唐代三彩貼花文鍑、日本の飛鳥仏教に多大な影響を与え隋代如来仏頭などをご覧頂けます。
秋涼の候、弊ギャラリーにて中国のいにしえの美をご堪能頂きたくご案内申し上げます。
-古往今来-
高麗李朝 古陶磁展
-In All Ages-
Goryeo,Joseon Ceramic Exhibition
開催期間
令和元年9月18日(水)~28日(土)
日曜・祝日休廊
Sep 18 (Wed.)
to Sep 28 ( Sat.), 2019
the gallery will be closed on Sundays and National holidays
赤坂游ギャラリーでは平成元年の開廊以来三十一年に渡り朝鮮半島の陶磁器、金銅仏、李朝家具をご紹介してまいりました。令和初の高麗李朝展は朝鮮半島が生み出した陶磁器(硬質高温焼成の新羅土器、高麗青磁、李朝前期の井戸・粉引き・鉄絵など日本の茶人に“高麗もの”と呼ばれた粉青沙器、中期から後期の白磁の中で最も愛陶家に高い評価を得ている李朝中期(十七世紀後半)から後期(十九世紀前半迄)の白磁の逸品を中心にご案内いたします。
今回特筆すべき作品は次の三点です。李朝白磁は灰白色、灰青色の堅手白磁から十七世紀末には金沙里窯系と言われる明るく純白感ある白磁が誕生しました。白磁堆線文壺(高21.5×径18.6㎝)は遺作の少ない鎬文の中でも、凸型の箆で一気に鎬文を入れ稜線の鋭さを際立たせることで李朝白磁の凛とした様相を表しています。白磁に青花(呉須・回青)で嫁菜(キク科)と蘭を描いた白磁青花秋草染付花瓶(高26.4×径12.6㎝)は李王朝の宮廷画員の手によるもので余白を十分取りながら細筆で軽妙に描かれ、簡潔、清浄を旨とする李朝美を代表するものです。赤黒い土に白土が掛けられ、透明釉が施され、焼きが柔らかいためか気泡から染みが生じて雨漏り状の斑となっている雨漏り堅手茶碗(高7.2×径13.8㎝)の侘びた景色は薄手に成形された胎、高台脇の削り、見込の目跡と合わせ鑑賞性の極めて高い茶碗と言えます。
暑さの残る初秋ではありますが、李朝陶磁の粋をご高覧戴きたくご案内申し上げます。
第16回特別内覧会 藏出し展
Clearance-Sale ⅩⅥ
開催期間
令和元年6月26日(水)~7月13日(土)
日曜・祝日休廊
Jun 26(Wed.)
to July 13(Sat.),2019
the gallery will be closed on Sundays and National holidays
この度、弊ギャラリーにて令和初の日本現代工芸作家の「蔵出し展」を開催します。
出品内容は岡部嶺男作品中青瓷と並び最も人気のある織部釉の花入、加守田章二の原点と言われる猿投時代に制作された灰釉の徳利対、釉薬研究の一人者河井寛次郎の辰砂茶碗はじめ文化勲章受章者二代浅蔵五十吉・大樋年朗・今井正之、重要無形文化財保持者井上萬二・伊勢崎淳・加藤孝造・島岡達三・田村耕一・三代徳田八十吉・藤原雄・原清・室瀬和美・高橋敬典、芸術院会員六代清水六兵衛・十三代中里太郎衛門から国際的陶芸展ファエンツア国際陶芸展グランプリ受賞で国際的評価の得た柳原睦夫、平成最後の芸術院賞受賞の漆画作家並木恒延以下45名の茶碗、花入・花器、壺、水指、釜、蒔絵、漆画、酒器、皿・鉢・組皿・組鉢、湯呑・汲出しを出品します。
また「売り立て」展示販売会ですのでお求め安い特別価格にてご案内いたします。
初夏の候、愛陶家の皆様に是非ともご高覧頂きたく、ここにご案内申し上げます。
-古往今来-
日本古陶磁展 Ⅱ
-In All Ages-
Japanese Ceramic Exhibition Ⅱ
開催期間
平成31年3月6日(水)~16日(土)
Mar 6(Wed.)to Mar
16(Sat.),2019
15世紀末から17世紀初めの桃山陶器は、中世秩序の崩壊の中から進取の気性に富んだ近世日本が新たに生まれる変わる時代背景の中で中国・東南アジア・朝鮮半島の意匠・製作技法の享受と日本人の美意識が折り合い生み出したものといえます。
この度の展示会では躍動感溢れた桃山時代の志野・織部、備前、唐津の逸品の古陶磁を中心に、鎌倉時代後期から江戸時代末までの古陶磁、金工、絵画を含めた日本古美術展となります。
浅春の候、愛陶家の皆様方にご高覧賜りたくここにご案内申し上げます。